白銀の女神 紅の王
「とても嬉しかったわ。」
心からの言葉を口にすれば、ジェスは唇をキュッと結び、耐えがたい表情をする。
そして、まくし立てる様に話した時とは打って変って、ゆっくりと話し始めた。
「それ以上言うな……。俺は、お前が思っている程キレイな人間じゃない。金の為なら誰でも平気で裏切るし、反逆者にも加担する…そんな人間だ。」
違うわ…ジェス………
貴方は、確かに謀反に加担したかもしれない。
けれど、本当に心の底から悪を持つ者は、素直に罪を認めようとはしない。
こんなにも悲しい顔はしないもの…
だから違うの…
そう伝えようとして、口を開きかけたとだった――
「それは、妹さんを人質にとられていたから……ですか?」
「「ッ………!」」
突如、横から入って来たウィルの言葉に、息を飲む。
「何故それを……」
それは、牢の中のジェスも同じだった。
ウィルの口から出た事に酷く驚いている。
「調べたからです。」
「ちょ…ちょっと待って。人質って…?」
説明を求めて、ウィルへ問う。
デュークと、シルバの落ち着き払った表情から、この場で知らないのは私だけだと言うのが分かった。