白銀の女神 紅の王



「とても嬉しかったわ。」


心からの言葉を口にすれば、ジェスは唇をキュッと結び、耐えがたい表情をする。

そして、まくし立てる様に話した時とは打って変って、ゆっくりと話し始めた。




「それ以上言うな……。俺は、お前が思っている程キレイな人間じゃない。金の為なら誰でも平気で裏切るし、反逆者にも加担する…そんな人間だ。」


違うわ…ジェス………

貴方は、確かに謀反に加担したかもしれない。

けれど、本当に心の底から悪を持つ者は、素直に罪を認めようとはしない。

こんなにも悲しい顔はしないもの…

だから違うの…

そう伝えようとして、口を開きかけたとだった――




「それは、妹さんを人質にとられていたから……ですか?」

「「ッ………!」」


突如、横から入って来たウィルの言葉に、息を飲む。



「何故それを……」


それは、牢の中のジェスも同じだった。

ウィルの口から出た事に酷く驚いている。




「調べたからです。」

「ちょ…ちょっと待って。人質って…?」


説明を求めて、ウィルへ問う。

デュークと、シルバの落ち着き払った表情から、この場で知らないのは私だけだと言うのが分かった。



< 478 / 531 >

この作品をシェア

pagetop