白銀の女神 紅の王
「今回、フォレストの部下たちの周辺を調べてみたところ、貧困層の者が多くありました。本来、富裕層であるはずのフォレストが、そのような者たちを部下に囲っている点を疑問に思ってみれば、そう言う事だったわけです。」
ウィルの視線の先のジェスは、苦々しい表情を浮かべ、横を向いていた。
「本当なの?」
「…………」
ピクッと反応するものの、そっぽを向くジェスから、返事は返って来ない。
「ジェス……」
お願い…と、声を落として投げかければ、諦めた様な溜息をつくジェス。
そして―――――
「………あぁ。フォレストの部下はほとんどが、家族を人質に取られた者たちだ。」
「ジェスも妹さんを…?」
おそるおそる伺えば、ジェスはただ黙ってコクリと頷いた。
「俺にとっての家族は、妹だけだった。もう随分会っていないな。」
私があの賭博場へ連れてこられた時には、もうジェスはいた。
ということは、もう10年以上も妹さんに会っていないと言う事?
たった一人の家族なのに…
「まぁ…会ったとしても、向こうは覚えているか怪しいところだ。」
地下の頼りない灯りに照らされたジェスの顔は、憂いを帯びていて、悲しそうな表情をしていた。
10年も前では再会しても覚えているかも怪しい。
そもそも、幼い妹さんが一人で生きていけたのかしら。
そんな考えが頭の中を巡り、言葉をかけられずにいると―――