白銀の女神 紅の王



「妹さんは無事ですよ。」


シン…と静まり返っていた地下牢に、ウィルの声が響く。

瞬間、バッとこちらを仰ぎ見るジェス。

ジェスの瞳は、信じられないと言わんばかりに見開いていた。




「人質に取られているであろう家族の安否は、こちらで確認しました。貴方の妹さんは、イースト地区で暮らしています。」

「ッ……それは本当なのか!?」


僅かに震える声を響かせながら、境界線の鉄格子に手をかけるジェス。

緊張の面持ちでウィルから視線を外せないでいると…



「はい。」


ウィルは、そう言ってニコリと笑った。

その答えと表情に反応したのは、当の本人ジェスではなく―――




「良かった……」


思わず口から零れる安堵の言葉。



そして――――

スッと膝を折り、鉄格子をあらん限りの力で握っているジェスの手を、そっと取った。




すると――――


「エレナッ!」


今までずっと黙っていたシルバが、すかさず声を上げる。

仮にもジェスは投獄されている身。

そのような者の手を取ることなど、言語道断なのだろう。



< 481 / 531 >

この作品をシェア

pagetop