白銀の女神 紅の王
「妹さんは無事ですよ。」
シン…と静まり返っていた地下牢に、ウィルの声が響く。
瞬間、バッとこちらを仰ぎ見るジェス。
ジェスの瞳は、信じられないと言わんばかりに見開いていた。
「人質に取られているであろう家族の安否は、こちらで確認しました。貴方の妹さんは、イースト地区で暮らしています。」
「ッ……それは本当なのか!?」
僅かに震える声を響かせながら、境界線の鉄格子に手をかけるジェス。
緊張の面持ちでウィルから視線を外せないでいると…
「はい。」
ウィルは、そう言ってニコリと笑った。
その答えと表情に反応したのは、当の本人ジェスではなく―――
「良かった……」
思わず口から零れる安堵の言葉。
そして――――
スッと膝を折り、鉄格子をあらん限りの力で握っているジェスの手を、そっと取った。
すると――――
「エレナッ!」
今までずっと黙っていたシルバが、すかさず声を上げる。
仮にもジェスは投獄されている身。
そのような者の手を取ることなど、言語道断なのだろう。