白銀の女神 紅の王
けれど――――
「大丈夫です。」
ジェスの手を離すばかりか、ギュッと、先程よりも強い力で包みこむ。
すると、ピクッと、緊張が走るジェスの手。
鮮やかな空の色をしたスカイブルーの瞳が一瞬見開かれ、眉を寄せて細められた。
その表情に、やっぱり…と思い―――
「ほらね?」
シルバの方を振り返り、ふわりと微笑めば、チッと悪態をつき、再び地下牢の壁に背を預けた。
眉をしかめて逸らされた視線にツキンと音が鳴る。
シルバからなかなか目が離せないでいると…
「エレナ…」
牢の中から声をかけられる。
その声にやっとシルバから視線をはずした。
「妹さんが無事で良かった…」
地下牢の冷気にさらされたジェスの冷たい手をそっと取り、包む。
「お前には関係のない事だぞ?」
「ううん、関係あるわ。」
混乱している様なジェスの表情。
先程の様に突き放されるような声色は、もうなかった。
「貴方は妹さんの為にフォレストの言いなりになったのよね?」
そう問えば、グッと押し黙るジェス。
ジェスは認めようとはしないけれど、妹が無事だと言うウィルの情報に対しての反応や、私自身が見てきたジェスを思えば、答えは知れている。