白銀の女神 紅の王



それに………


もう、私を利用しようとも思わないはず。

能力のない私には、もう用はないはずよ。

デュークに促され、馬車に乗り込むフォレスト伯爵を見ながら、そう自分を納得づける。



馬車に乗ったフォレストとロメオ。

デュークが馬に乗り、高々と剣を掲げたのを合図に、ギルティス王国へ出立した―――




ピタッ――――


冷たい窓ガラスに手を添え、王城の門をくぐろうとする馬車を見下ろす。

この国から災いの元凶が居なくなろうとしているのに、不安は拭いきれない。

大丈夫……

自分に言い聞かせながら、段々と遠ざかって行く馬車を見えなくなるまで見届けた。




ふぅ…と、気を張っていた体から力が抜け、手を下ろす。




これで、全て終わった。


全ての元凶だったフォレスト伯爵は国外追放され。


ロメオもギルティス王国に行った。


ジェスの処分も決まったし。


イザベラさんも何らかの処分が下されている。






けれど――――




一番の問題が、ここにある。


それは……“私”





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