白銀の女神 紅の王



再び能力を求められれば、応えなければならない。

その時、シルバはきっと私に失望する。

それが容易に想像できるから……

いざシルバを目の前にすると、言葉に詰まるのだ。

言ってしまえばこの関係に終わりがくると思うと、その想いがストッパーとなり、口を閉ざす。

けれど、先延ばしにして、もっと嫌われるよりましなのかもしれない。




言わなきゃいけない……

私が能力を失った事を―――

でも、どのタイミングで?

窓の外から、ソファーに座るシルバに視線を移す。

すでにシルバは、昨日の続きと思われる書類を手にして読んでいた。




声をかけられないわ…


完全にタイミングを逃した今、なかなか話を切りだしづらい。

それに、今しがたシルバの機嫌を損ねたばかりだ。

視線さえ会わせてくれない相手に対して、今この話をする勇気は持ち合わせていなかった。




はぁ……どうしよう……


深い溜息と共に、ぐるぐると心の中で葛藤しながら窓から離れていると…




ツンッ――――


「きゃッ…!」

思いっきり裾を踏みつけ、前のめりに倒れ込んだ。

ふかふかの絨毯の上だと言えど、倒れ込めば痛い。



「ッ……エレナッ!」

バサッと持っていた書類をテーブルに投げつけ、駆け寄ってくるシルバ。





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