白銀の女神 紅の王



このままじゃ本当に捨てられる…



「で、でもっ…私でも何か役に立てる事があります!」


気付いた時には、シルバに詰め寄っていた。

あんなに視線を逸らしていた事なんてそっちのけで…



「妾としてダメなら、侍女として使って下さい。」


両親やウォルターのところから連れ出される時にはこんな抵抗しなかった。

どうせ抵抗したって無駄なんだろうって、子供ながらに分かっていたから。



「………」


眉を顰め、無言でこちらを見据える視線が怖い。

今何を思っているの……?

面倒な女だと思っている?

能力のなくなった私なんて、もう興味も失せた?


こんなこと言ったって、何が変わるでもないけれど…

諦めたくなかった。

シルバの傍にいる事を―――




「お願いします…ここから追い出さないで……」


シルバの衣服の端をキュッと握り、声を絞り出すようにして訴える。



しかし―――


「侍女なら間に合っている。」


突放す様な言葉に、目の前が真っ暗になった。

やんわりと解かれた手が、ダラリと力なく床に向かって垂れる。




< 508 / 531 >

この作品をシェア

pagetop