白銀の女神 紅の王



「お願いですから…“愛している”だなんて言葉で繋ぎ止めないで。」

「ッ………!」


大きく息を飲むシルバ。

やっぱり、図星だった?

ジェスと言う私の弱みがなくなって、シルバが思いついたのがこの方法だったのだろう。
けれど、これだけは嫌なの。

愛を偽って告げられるよりも、真実を言ってくれた方がどんなにマシか…




「私は…愛されなくても貴方の傍から離れませんから……」


ギュッ…と心臓を鷲掴みにされた様な苦しさの中、涙を零しながらそう告げた。

言い終えた瞬間、ハッと我に返る。




わたし…なんて生意気な事を……

シルバの傍にいられると分かっただけで良かったじゃない。

さっきの言葉は忘れよう。

シルバも、私に何も与えずともここから離れない事は分かってくれたはず。




「それじゃあ…私は他の部屋に移ります。」


拭っても拭っても溢れ出て来る涙を何度もぬぐいながらそう言って、力なく微笑んだ。

もう、今までの私達の関係ではない。

妾ですらなくなったのだから、この後宮には居られない。




そう思って、その場から動こうとした時だった―――




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