白銀の女神 紅の王



「お前は俺のものだ、エレナ。誰にも渡さない。」


傲慢な台詞を吐く。

独占欲を隠そうともしないその言葉。

けれど、それくらいが私には心地良い。



今まで、期待しては裏切られ。

家族にも友達にも遠ざけられた過去。


今度は離さないでいてくれる?

繋ぎ止めていてくれる?

何度も何度も心の中で投げかけるのは、そんなことばかり。

だからこそ、シルバの言葉は嬉しかった。




嬉しくて、嬉しくて……


涙が止まらなかった――――




「俺と共に生きる覚悟は出来たか?」

「わたしは……」


涙で言葉が紡げない。



「俺を選ぶと言うなら、お前を全力で守る事を誓う。」


そう言って頬を包む大きくて温かな手。



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