白銀の女神 紅の王
いまいち理解できなかったけれど、コクンと頷いた。
「これからは俺の前でだけ笑っていろ。」
「はい。」
そんな無茶苦茶なことを言うシルバに、二つ返事で答える。
今はシルバの言葉だけで安心できる。
けれど、欲を言うならもう一度聞きたい…
「シルバ……」
勇気を出して声をかける。
すると――――
「何だ?」
心なしか穏やかな紅の瞳がこちらを見下ろす。
「もう一度…ぃ…って。」
自分の言おうとした事に、かぁ…と顔を赤くする。
「…………?」
見事に語尾が消えた言葉に、シルバは疑問符を浮かべる。
頑張るのよ、エレナ。
これを逃したら一生言えない気がする。
そして、意を決して口を開く。
「もう一度…“愛してる”って言って?」
「ッ…!一度しか言わないと言っただろ。」
顔を赤くしてチラリとシルバを見れば、フイッと顔を逸らされ、そう言う。
その顔が僅かに赤かったのには気づくはずもなく、落ち込む。
「そんな……」
勇気を出して口にしてみたのに。