白銀の女神 紅の王



いまいち理解できなかったけれど、コクンと頷いた。


「これからは俺の前でだけ笑っていろ。」

「はい。」


そんな無茶苦茶なことを言うシルバに、二つ返事で答える。

今はシルバの言葉だけで安心できる。

けれど、欲を言うならもう一度聞きたい…




「シルバ……」


勇気を出して声をかける。



すると――――

「何だ?」

心なしか穏やかな紅の瞳がこちらを見下ろす。



「もう一度…ぃ…って。」


自分の言おうとした事に、かぁ…と顔を赤くする。



「…………?」


見事に語尾が消えた言葉に、シルバは疑問符を浮かべる。

頑張るのよ、エレナ。

これを逃したら一生言えない気がする。

そして、意を決して口を開く。




「もう一度…“愛してる”って言って?」

「ッ…!一度しか言わないと言っただろ。」


顔を赤くしてチラリとシルバを見れば、フイッと顔を逸らされ、そう言う。

その顔が僅かに赤かったのには気づくはずもなく、落ち込む。



「そんな……」

勇気を出して口にしてみたのに。




< 527 / 531 >

この作品をシェア

pagetop