白銀の女神 紅の王
対するシルバはふっと、獰猛な笑みを浮かべながら言う。
「そのようなことで揺らぐ忠誠心なら、こちらから願い下げだ」
これが家臣を持つ王の言葉だろうか。
シルバの言葉に唖然とする。
ウィルは頭を抱えて溜息をついていた。
「お前は黙って俺の妾になればいい。分かったな?」
「分かりました……」
有無を言わせないシルバに、そう答えるしかなかった。
「では先に寝ていろ。俺はまだやることがある」
シルバは私の答えに満足したのか、早々に後宮を去ろうとする。
「……見張らなくて、いいんですか?」
またもシルバの言動に驚きを隠せない。
見渡せばこの後宮は一人も使用人がいない。
逃げ出そうと思えば逃げ出せそうだ。
そんな場所に今日来たばかりの女を…
しかも無理やり連れてこられた女を一人にするなど、不思議でしょうがなかった。