白銀の女神 紅の王
「そうお前には帰る場所などない。だから見張りなど不要だ」
シルバの言葉が死刑宣告の様に聞こえた。
「もし逃げたとしても必ず見つけ出す」
獰猛な笑みを浮かべながらゆっくりとそう言う。
「逃げません」
シルバの言うとおりここを出ても私に行く宛てはない。
賭博場に戻ったとしても、シルバに怯えていたウォルターがかくまってくれるとも思えない。
私はここにいるしかない…
後宮と言う名の檻のない牢獄に。
「そうか。なら、もう休め」
「はい……」
今度こそシルバの言葉に素直に返事をする。
「行くぞ、ウィル」
シルバが心配そうな表情で見つめていたウィルを連れ、部屋を出て行くのを、立ったまま見送る。
こうして、後宮での生活は始まった―――