白銀の女神 紅の王
皆が寝静まった深夜―――
王城の書斎では小さな口論が繰り広げられていた。
「シルバ、エレナさんを妾にするとはどういうつもりですか?」
「俺の買った女だ。どうしようと俺の勝手だ」
ウィルの小言はいつも煩い。
気に入らない事があれば、ねちねちねちねちとまるで女の様に問いただす。
しかし、自分に逆らいモノを言うのはウィルを含め数人しかいない。
その最たる要因はウィルが自分の従弟にあたることだろう。
幼少の頃から帝王学を学んでいた自分と、主に使えるための知識を学んでいたウィル。
もう一人いたが、アレの事は思い出したくない。
ウィルに初めて会った時の印象。
それは裏表の激しそうな奴だった。
始めに抱いた印象があまり外れる事のない自分の予想は大いにあたっていた。
外見は童顔で大人しい雰囲気を持っているウィルだが、ある一定以上のフラストレーションが溜まった瞬間、それは爆発する。
そこからは考えただけで嫌気がさす。