白銀の女神 紅の王
「けれどエレナさんは一般人です。どうか彼女をこれ以上傷つけないでください」
「なんだ、ウィル。アレに惚れたか?」
今日会ったばかりの女にこれほど入れこむとはな…
普段、女になど興味がなさそうなウィルも男だったと言うことか。
しかし、そんな考えは真剣な顔つきのウィルに否定される。
「違います。ただ、守ってあげたいと思わせるような雰囲気を持つ女性なので」
本格的にエレナの肩を持つつもりの様なウィルに頭を抱える。
「どうでもいいが、深入りするなよ」
どうせ用が済めば、この王城からは出てもらう。
今回の成果次第では安寧の生活を与えてやってもいい。
貴方こそ…というウィルの言葉は届かなかった。
「それよりもあの賭博場の主を調べろ」
ふと10年間エレナが住んでいた、あの賭博場が頭に浮かんだ時―――
賭博場で感じた違和感を思いだす。
「エレナさんを買った人をですか?」
ウィルが不思議そうに問い返す。