白銀の女神 紅の王



「けれどエレナさんは一般人です。どうか彼女をこれ以上傷つけないでください」

「なんだ、ウィル。アレに惚れたか?」

今日会ったばかりの女にこれほど入れこむとはな…

普段、女になど興味がなさそうなウィルも男だったと言うことか。

しかし、そんな考えは真剣な顔つきのウィルに否定される。




「違います。ただ、守ってあげたいと思わせるような雰囲気を持つ女性なので」

本格的にエレナの肩を持つつもりの様なウィルに頭を抱える。



「どうでもいいが、深入りするなよ」

どうせ用が済めば、この王城からは出てもらう。

今回の成果次第では安寧の生活を与えてやってもいい。

貴方こそ…というウィルの言葉は届かなかった。




「それよりもあの賭博場の主を調べろ」

ふと10年間エレナが住んでいた、あの賭博場が頭に浮かんだ時―――

賭博場で感じた違和感を思いだす。


「エレナさんを買った人をですか?」

ウィルが不思議そうに問い返す。




< 63 / 531 >

この作品をシェア

pagetop