白銀の女神 紅の王



「そういうことだ」

またエレナか…

溜息交じりにウィルの嬉しそうな顔を見る。


まぁ本人に恋愛感情がないと言っているのだ、放っておこう。




「では僕は明後日の賓客リストを作ってから休むことにします。シルバは、明日も朝から公務が入っていますから早めに休んでくださいね?」

「あぁ、分かっている」

時計の針はすでに夜中の3時を回ろうとしている。

まだ働くつもりなのだろうかこの従弟は。


スキップをしそうなほどに楽しそうなウィルに一言そう答えると、ウィルは早速自室へと戻って行った。




明日はイースト地区の視察か……

後宮へ戻りながら頭の中で明日の公務の予定を組む。

イースト地区は王位についた時、とくに荒廃が進んでいた地区で、明日は無能な部下の代わりに視察に行くことになっていた。

治安も悪く、怖気づく部下たちが逃げ帰ってくる為、なかなか再建が進まない。



ウィルの様に少し癖のある奴でも有能な部下が増えて欲しいとは思うが…


このだらけきったアーク王国にそれを期待するのは難しいのかもしれない。





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