白銀の女神 紅の王
男が俯き加減で答えに困っていると、シルバがこちらを向く。
それに応えるようにコクンと一つ頷く。
「もういい、下がれ」
「は、はい。失礼いたしました」
シルバから解放されたことに喜びながら、男はそそくさと立ち去って行く。
「どうだ?」
シルバは、立ち去る男を冷たい目で見ながら問う。
「あの人には、貴方のことが好きじゃないみたいだけど、反逆者になる恐れは少ないと思うわ」
あの男から読みとれたのはシルバに対する嫌悪、そして怯えだけ。
アイザックス王の名が出された時もシルバに土地を取られたくない一心だということが伝わって来ただけで、シルバに対する反逆の意思は見えなかった。
「まぁそうだろうな。アイツが反逆者だと役不足だ」
分かっているなら聞かなくてもいいじゃない…
クツクツと笑い酒を一気に含むシルバ。
対する私はすでに疲労の色を滲ませていた。