白銀の女神 紅の王
自分の頭の中に他人の心が流れ込むのだ。
拒否反応を起こすのは当たり前の事で…
それが、嫌悪、妬み、恨み、憎しみ、欲の塊となれば、受ける影響は計り知れない。
幼い頃にも覚えのある感情だったが、昔の比ではない。
所詮、あの時は子供の世界のことだったのだと思い知らされる。
大人の世界の何と汚きことか――――
しかし、私は私に与えられた命を全うしなければいけない。
それがシルバとの契約だから。
あともう少しの我慢よ、エレナ。
もう少しで終わるわ……
そう言い聞かせ、自分を奮い立たせた。
「それらしい奴が来たぞ」
シルバの声でハッと我に返る。
面白そうに紅の瞳が見つめる先を見れば、見た目50代くらいの男と若い男が、ゆっくりとこちらへ近付いてきている。