白銀の女神 紅の王
「お久しぶりでございます、シルバ様」
他の者とは異なる、堂々とした態度、もの言い。
シルバの言う“それらしい奴”という意味も分かる気がする。
何より側近以外でシルバの事を“陛下”と呼ばない者はこの男だけだった。
「これはフォレスト伯爵。いつもは招待しても顔を出しもしない伯爵が今日は一体どういう風の吹き回しだ?」
シルバが冷笑を浮かべながら、親ほどの年齢の男に対して、馬鹿にした態度を取る。
しかし、フォレスト伯爵と呼ばれた者は眉一つ動かさず口を開く。
「もちろん、噂のエレナ様を見に来たのですよ」
じろりとフォレスト伯爵とその側近の粘着質な視線がこちらを見据え、舐めまわす様に視線を這わせられる。
なに……?
その視線に他の者とは違う何かを感じ、身震いする。
コワイ………
何故かそう感じた。
「これは珍しい。我が妾に興味がおありですか?」
「えぇ、ありますとも。…とても、ね」
ゆっくりとなぞる様に紡ぐ言葉に体を強張らせる。