塾帰りの12分

ケータイを閉じて、頬杖をついた。

今、賭け直すのはよした方がよさそうだな。

落ち着いたら、向こうから掛け直してくるだろう。


俺はそう判断して、自分も夕食を取りにダイニングへ向かった。


そして、夕飯もシャワーも終えた9時過ぎ。


ケータイを確認するも、聡美から掛けてきた形跡はない。

まだ、まずい状況なのか?

まあダメなら、すぐに切ろう。

そう決めて、履歴から聡美のケータイ番号を呼び出し、通話ボタンを押した。


『お掛けになった番号は、ただいま電源が入ってないか……』


ダメか……。


と、その時。

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