塾帰りの12分
世の中、そううまくは行かないようで――
講義が終わり、駅のホームで私は寒さしのぎに足踏みしたり両手をこすり合わせたりしながら電車を待っていた。
すると、突然耳元で声がした。
「J1のチーム覚えてきたか?」
「ひゃっ!」
ビクッと振り向くとそこにいたのは……
「き、北見先輩!
急に耳元に話しかけるの、やめて下さい!」
抗議したけれどそれへの返事はなく、
北見先輩は口の開いたコーヒーの缶を私の手の上に載せた。
「へ?うわっ、熱っ!」