⁂ダイヤモンド⁂
「再会、情熱……」
「えっ?」
「花言葉だよ、再会に情熱、あとは悲しい思い出だったっけな?」
あたしは知らないふりをしていた。
秋山さんは色々なことを知っている、いつも本当に勉強になることばかり話してくれたりする……。
「再会か……」
そう呟いた時に、一瞬だけ悲しそうな顔をした気がしたが、「さて、メッセージみよう!!」と名刺を裏返ししてあたしのメッセージを読んでる姿が微笑ましくてあたしは、その姿を見つめていた。
“今日で、この店にきて5年目になっちゃったよ。でもこの店にきて初めて席に着いたのが秋山さんで本当に良かったって思ってるんだ。いつも疲れているのにありがとう。
秋山さんの笑顔は温かくしてくれるから好きだよ。これからも体には気を付けてね♪P.S来年はどんな名刺にしようかな~”
「未来、ありがとう……」
読み終えた秋山さんの顔はなぜだか悲しそうで不思議だったが、メッセージに感動しているものだと思っていた。
「情熱……未来みたいな花だな」
この名刺はこの前作ったもの。一枚ずつ名刺を見ていると、その時のあたしと秋山さんのやり取りが浮かんでくる。
それがなぜか遠い昔のように思えてしまう……
名刺を一つにまとめ、ポーチから携帯を取り出し、秋山さんのメモリーを出すと通話ボタンを押した。