夕陽

「大丈夫?下を向いてるから。
もぉ下向いて歩いちゃ駄目だよ?
坊や?」

「んなっ!
上から目線腹立つんすけど・・・?
殴ってもいい?
殴ってもいいですか??」

そういって智咲はぶつかった人を
睨み付ける。

そいつは男だった。

「ん?
どっかで見たことあるような・・・?」

「え・・・?
誰っすか?」

智咲は首を傾げる。

「あ、あぁ。
思い出した。あんた女でしょ?」

「っへ?なんで?
俺、男だよ??」

一生懸命動揺を隠しながら智咲は言う。

「いぃや。
あんた前、厠から出てきたときに
相手してやった奴だよ?
覚えてる?」

「!?!
ぬぁぁぁっ!
あん時の変態助平野郎か!
すっかり忘れてた!
今更何よ!
あんたとはもう終わったのよ!」

そういって智咲は身構える。

「いやいや。
お子様みたいな演技止めろって。
まぁいい。
少しだけ聞きたいことがあるんだが。」

「ん?
何だね。言ってみ?ほら言ってみ?」

智咲は挑発気味に言う。

「んじゃあ遠慮なく。
あんたなんで女子なのに
男の格好してんの?」

「がふぁっ!主人公は
1000ダメージを受けたっ!」

「死ぬな死ぬな。
なんか理由でもあんのか?」
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