夕陽




「むー。そのまま向こう向いててね!絶対こっちみちゃダメだから!!」


そう釘をさして智咲も着替えを始める。



「・・・誘ってるんですか?」


「えええ?!理不尽!」



「もー。無防備というかなんというか・・。普通脱ぎますか・・・?」


ふー、と溜息をつく音。
向き合ってはいないため、音で判断するしかない。


「見ちゃダメだよ絶対駄目だよ駄目だからね!!!」




今は着流しも何も着ていないから冗談じゃない!!



ぎゅっ


落ち着くにおい・・。総司さんの匂い・・。



「ってなんでなんでっ!!!」


顔が一気に赤くなる。


「え、動物的になりました。」


「見ないでーって言ったのに!!!」


「見てないですよ?触れてるだけです」



耳元でささやかれる。
ぼかーん!顔が爆発するかと思った・・・。てか多分もうしてるよ・・・。


「そそそっ?!総司さん?!!?今日は随分と積極的でッ!!」


「そーですかぁ?それと、智咲さんは接物してくれるんですかぁ?」


「だだだだだーめええええ!あれはじょじょじょ冗談ですよよよよ!!!?」


顔が耳まで赤い。体中が熱い。


「冗談でそんなこと言うんですか・・・。ざんねんです。」


「えええ?!べべ別にそそそうじさん嫌でしょ!あたしみたいな不細工とそんなのするなななんてえええ!!!」




「・・・無自覚ですか」


ふぅ、と溜息を吐く。

首筋に総司さんの吐いた息がかかってびくーん!!!




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