夕陽


「これでお前も恋愛感情が芽生えるはずだ。」


僕の目の前に差し出す。


「いらないって」


左之に無理矢理押し付ける。


「いや受け取れって」


無理矢理押し付けてくる。


「だからいらないっつーの」


また左之に無理矢理押し付ける。



「んじゃ朗読してやろうか?いいか、これは13ページからで・・・
『あ・・・っあんっ』『可愛いね・・・』そういって男は女の胸を揉み解して」
「嫌だっつってるだろおおおおおおお!どっかの親父?!どっかの息子にエッチな本無理矢理読ませてる親父か!!!!」


思いっきり左之から本を奪い取り、畳にたたきつけた。




「だって平助悩んでるんだろ?助けてあげようと・・・」


「不器用すぎるよ!!どんだけ不器用?!助けどころかありがた迷惑!!!」


ああ、疲れた。


ツッコミって何でこう疲れるんだろう。



「へー。左之さん、こんなの読んでるんですか。(土方さんの前で朗読して仕事の邪魔をするために)ちょっとお借りしますね。」


どこからか現れたのか、総司が僕が床にたたきつけた官能小説を懐に入れて去っていった。


「・・・。総司も読むらしいぞ。」


「いや、絶対意味違うと思う。()の中身見た?腹黒い中身が!!!」




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