サヨナラのその日までそばにいさせて。



「な、何言ってんだよな」


「ほ、本当だよっ」


カァーッと二人して空良の言葉に顔を真っ赤に染める。


一瞬、緊張が和らいだのに、また緊張してしまうやんけ!



「アキ、りんご剥けたよ」


小さなフォークにりんごを突き刺し、咲希は恥ずかしそうに俺にフォークを渡した。



「…サンキュ」


シャリと音を立ててりんごを一口かじる。


「美味しい?」


「うん…」


りんごを噛みながら返事をする。


咲希もひとつ、りんごを手に取って食べ始めた。



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