サヨナラのその日までそばにいさせて。



「…どうして?どうしてあなたが来るのよ!?」


「母さん!」


騒ぎ出すおばさんを止めるが、私を睨み続けたまま言葉を続ける。



「あなたのせいでこのコは目が覚めないのよ!?」


「急に何を言い出すんだ!?」



「だって…、別れるって言ったのに。あのコは咲希ちゃんの為に手術したのよ?」


「…そうだとしても、それが咲希ちゃんを責める理由にはならない。咲希ちゃん、いつもすまないね」


申し訳ないと謝るおじさんに頭を小さく横に振る。



沈黙が病室内に広まっていく。



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