ご主人様はお医者様


そして私の手を取り立ち上がらせる。


とたんにトクトクと鼓動が高鳴り、握られた手から一気に熱を帯びる。


きっと、顔まで真っ赤なんだろうな…私。



そんな私に先生は言った。



「そうだ、確かめておきたいんだけど?」



「なっ、なんですか?」



「俺は『小春を愛してる』って言ったけど、君は?」



「今更、言わせるんですか!?前に伝えましたよ」



「前?そんなのは無効だ。
逃げられて、ずっと避けられて、しかも『構わないで下さい』だもんな」




たっ、確かに――!!

逃げて避けて構うなって言ったよ……でも、それは先生の事が好きだったからで――、





「先生のこと……」



「彬だ、小春」



「あ…き……」



そんな、呼べないよ//////





「早く呼ばないとその口塞ぐよ?10.9.8……」





カウントダウンが始まって、ゆっくりと先生の顔が近いてくる。



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