ご主人様はお医者様
「高木先生が1人で大学へ戻るって言ったのは小春のためなんだよ」
「私のため!?」
香澄はゆっくり頷く。
荒木先生からこう聞いたそうだ。
「『新しい職場で仕事をするのは大変だ。そんな思いをするのは俺一人で十分だ。だから小春には慣れた環境で、信頼できるスタッフと一緒に頑張ってほしい』って言ってたみたいだよ」
「そんなこと一言も言ってくれなかった」
「高木先生らしいじゃん!?それとさ、先生の立場考えたことある?」
「立場!?」
私の言葉に香澄は「やっぱりか…」そう言いながらため息をついた。