ご主人様はお医者様
エレベーターを降りて、真っ暗な外来フロアーを突き進む。
私は汗ばむ手を握りしめた。
外科外来の前まで来ると、自動販売機の明かりに照らされた平賀先生を見つけた。
「あら、ちゃんと来たのね」
そうそっけなく言う。
私は逃げ出したいのをこらえて平賀先生を見据える。
「突っ立ってないで座れば?」
平賀先生は私にソファーに座るように促した。
「いいえ、すぐ戻りますから」
「そう、じゃ手短に」
そういってポケットから一枚のエコー写真を差し出した。