ご主人様はお医者様


「あんた、どういうつもりなんだよ!!」



いつもの沢木さんの声よりも低くて、聞いたことのないような怒りに満ちた声だった。

沢木さんの言葉に、彬は淡々と答える。



「どうもこうもない。

今の話を聞いていたならわかるだろ?」



彬の冷静さは、沢木さんの気持ちを逆なでしたようだ。
沢木さんは拳を握りしめて彬に詰め寄った。



「なんだよ、それ!!

麗華を弄んだのかよ?」



――麗華?

沢木さんは確かに今、麗華って言った?

私はとっさに平賀先生を見た。

平賀先生は真っ直ぐに沢木さんを見つめていた。




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