ご主人様はお医者様



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「実は、ずっと不思議に思っていたことがあってさ」


先生は、私の髪を撫でながらそういった。


「何がですか?」


先生の腕に乗せた頭をそっと持ち上げて先生のほうを見た。


「ハルが夜勤の日は安定剤や眠剤を欲しがる患者が減る。それに、不穏の患者も減る」


「そうですか?あまり感じたことなかったですけど?」


私がそういうと、先生は私を引き寄せた。


「こうすると安心する。ハルが傍にいると安心して眠れる。
自分じゃ気付いて無いだけで、ハルの言葉や笑顔は安定剤より効果があるんだ。患者の間で小春人気はすごいんだぞ?」


「そんなこと……ないです。それに、先生らしくない仮説ですね」


「いや、俺が実証済みだろ?仮眠室でも、うちのソファーでもハルの傍ではすぐ眠れた」


「それは、先生が疲れていたから……」


「ううん、違う。ここ数年、どんなに疲れていてもぐっすりと眠ったことはない」


「じゃあ、私が一緒にいれば先生は休むことが出来ますか?」


「ああ、もちろん」


「じゃあ、もう寝まし……んんっ」



キスで遮られた私の言葉、


「ダメ」


先生はまた私にキスをする。





極上の甘い夜はこうして更けて行った――――……。







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