逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


学校からの帰り道、自転車の後ろに咲下を乗せて、いつもの道を走ってく。



交差点で、赤信号になりブレーキをかけて自転車を止めた。



「あ!」



「どしたの?橘くん」



「咲下、ちょっと降りて?」



「うん」



俺と咲下は自転車から降りて、ガードレールの前に自転車を止めた。



「ちょっとここで待ってて!」



そう言って俺は、咲下をその場に残して、ゆっくりと走っていく軽トラックを追いかける。



「待って!おっちゃーん」



「あいよー、いらっしゃい」



俺は軽トラックの前で立ち止まった。



「2コちょーだい!大きいやつで」



「おぉ、待ってなー、ほれ。ありがとよー」



俺はそれを抱えて咲下のとこに走っていく。



「お待たせっ」



「橘くん、それ……」



「うん!焼き芋!」



俺は袋の中から焼き芋を1コ取り出した。



それを半分に割ると湯気が上がり、黄金色のホクホクした焼き芋の甘い香りがふわっと広がった。



「はい、熱いから気をつけて食べな」



半分に割った焼き芋を咲下に差し出す。



「おいしそぉ。ありがとう」



ふたり並んでガードレールにもたれかかり、ホクホクの焼き芋を食べた。



「やっぱ焼き芋、冬は最高だな」



「うんっ!甘くておいしいっ」



咲下の笑顔が見たくて。



こんなことくらいしか思いつかない俺だけど。



それでも咲下が笑ってくれるなら、



俺はこれからもずっと、そばにいたい。
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