逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
お母さんの最期の時、咲下は泣かなかった。
泣くのをこらえて、最後までお母さんに笑顔を見せていた。
星の見えない空の下。
もう我慢しなくていいんだって、咲下に知って欲しくて。
『泣いていいんだよ』
俺は、震える小さな手を握りしめた。
あの日、俺は自分に誓ったはず。
俺がそばにいる。
咲下のそばに。これからもずっと。
咲下の手を引いて、
星も見えない夜のような
真っ暗な場所から。
悲しい世界から。
俺が咲下を連れ出してあげるって――。
こんな場所で立ち止まってる場合じゃない。
「行かなきゃ……」
咲下にこのまま会えなくなるなんて、絶対やだ。
俺は星砂のキーホルダーをポケットにしまい、自転車を走らせる。
明日、咲下がいないとしても。
いつもの道、学校、
この街のどこにも……咲下がいなくても。
俺は、これからもずっと。
ずっと……。
咲下を想ってくよ。