逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


「今日からよろしくな!凜っ」



陽太くんはあたしに手を差し出す。



彼はあたしの過去を知らない。



過去は関係なくて、今のあたしを見てる……。



あたしが動けずに、彼の手を見つめていると、



「握手や。俺のこの手の立場どーしてくれるん?」



そう言って微笑んだ彼は、あたしの手を取る。



「ふふっ、ごめん。よろしくね」



ぎゅっと握手を交わした。



骨張った大きな手。



橘くんじゃない男の子の手を握った――。






このときはまだ



彼があたしにとって



どんな存在になるかなんて考えもしなかった。



彼はいつだって



明るくて

真っ直ぐで



笑顔が眩しくて



名前のイメージにピッタリな



太陽みたいな人だった。






夜を生きる星は

太陽に憧れる。



そして、消えてゆく。



同じ世界では決して、生きてなどいけない――。
< 167 / 528 >

この作品をシェア

pagetop