逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


――――――……



暗い夜道を歩いていく。



学校から真っ直ぐ家に帰りたくなくて、駅の近くでバイト先を探したり、適当に時間をつぶした。



家の前に着いたのは、夜の9時半過ぎ。



ドアノブに手をかけたけど、カギがかけられていてドアは開かなかった。



まだこの家のカギは渡してもらっていない。



仕方なくインターホンを押すと、すぐにドアが開いた。



――ガチャ……。



「遅かったのね」



中から出てきたのは、父親の再婚相手であり、のえるの母親。



あたしは何も言わずに小さく頭を下げ、中へと入っていく。



「りーんちゃぁーん」



部屋から出てきたのえるが前から走ってきて、あたしの足に抱きつく。



「おかえりー。りんちゃん」



下からあたしの顔を見上げて、のえるはニコッと笑う。



「ただいま」



あたしは、のえるの頭を優しく撫でた。



「のえる、凜ちゃんが帰ってくるの待ってたのよね。もう寝る時間とっくに過ぎてるんだから、早く寝ないと……」



彼女は、のえるの手を引いて寝室へ向かう。



「ママ、ごめんなさぁい。りんちゃん、おやすみー」



「うん、おやすみ」



あたしはそのままキッチンへ向かい、お弁当箱を置いた。



父親はまだ仕事から帰っていないらしい。



顔合わせなくてよかった。



「いま、ご飯用意するから座ってて」



そう言ってキッチンにやってきたのえるの母親は冷蔵庫を開ける。



「ご飯いいです」



そうあたしが言うと、彼女は冷蔵庫の扉を強く閉めた。
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