逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
――――――……
朝、電車から降りて、駅から学校へ向かって歩いている途中、
自転車にふたり乗りする陽太くんと彼の彼女を前方に見つけた。
明るい笑い声。
あのふたり、本当に仲良さそう。
微笑ましいふたりを見つめていたら、
橘くんの自転車の後ろに乗って見ていた景色を思い出した。
橘くんの背中。
朝の水色の空。
通い慣れた道。
目を閉じると、聞こえる。
橘くんの優しい声。
“咲下”
あたしを呼ぶ声。
橘くんの笑顔。
胸が苦しくなる。
どうすれば……忘れられる?
好きな気持ちは、どうしたら消えるの?
どうしたら……。
こんなに苦しいなら、好きにならなきゃよかった。
恋なんてしなきゃよかったんだ。