逢いたい夜は、涙星に君を想うから。


「陽太くんは、後ろ向きなことを考えるくらいなら、前向きなことを考えるってそう言ったよね?」



「言うたよ」



「もし……陽太くんがつらい過去を抱えてたら、どうやって前向きに考える?」



あたしは陽太くんの顔を見つめる。



「つらい過去?うーん。俺にはそんな過去ないけんなぁ。あったんかなぁ?楽しかったことしか覚えとらんけん」



あたしは微笑む。



「そっか。陽太くんらしいね」



陽太くんの過去は、楽しい思い出で埋め尽くされてるんだね。



昨日、過去は気にしないと言った陽太くんは、



あたしにどんな過去があるのか、やっぱり聞こうとしなかった。



でも彼は、あたしの頭をポンポンと優しく叩く……。



「つらい過去は……忘れるんやなくて、その過去を誰かのために使えばええんやない?」



つらい過去は

忘れるんじゃなくて



その過去を

誰かのために使う……?



「優しさって、そうゆうところから生まれるんやろーなって俺は思うとる」



「どういうこと……?」



「そこは、凜が考えるべきことやな」



そう言って陽太くんは、いつもの明るい笑顔を見せた。
< 173 / 528 >

この作品をシェア

pagetop