逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「ふふっ。ここまで名前のイメージ通りに育ってくれて、うちの親も喜んどるんやない?」
明るくて、元気で。笑顔が眩しくて。心があったかくて。
本当に、彼は太陽みたいな人。
「あたしも憧れる。陽太みたいな人になれたらいいのにって……」
「凜ちゃんも太陽になれるよ」
あたしは微笑んで、首を横に小さく振る。
陽太が、その強い光で世界を明るく照らす太陽なら。
「あたしは……星屑の中のちっぽけな星……」
夜空の星屑の中のひとつ。
ちっぽけで、特別でも何でもない星。
太陽が光を照らす明るい世界では、その姿を消してしまう。
そう、まるで。
陽太とあたしは、太陽とちっぽけな星、そのものだった。
これから先、生きていく道も、世界も何もかもが違う。
「陽葵ちゃん、陽太の将来の夢って知ってる?」
「お兄ちゃん、夢なんてあるん?」
「いい大学に進学して、いい会社に入って、素敵なお嫁さんをもらって……って前に言ってた。あたしとは生きていく世界が違う人なの」
「凜ちゃんの生きていく世界は、どんな世界なん?」
「……星が見える世界……かな……」
星が見える世界。真っ暗な夜。
あたしはきっとこれからも、夜を歩き続けていく。
夜明けの来ない、夜を――。