逢いたい夜は、涙星に君を想うから。



陽葵ちゃんとバイバイをして、帰りの電車の中。



あたしは陽葵ちゃんから渡された大きな封筒を開ける。



橘くんがあたしに……。



一体なにが入ってるんだろう……?



少し緊張しながら封筒の中を見た。



「え……?」



どうして……?



封筒の中に入っていたのは、中学のときに失くしたはずの詩のノート。



ノートをめくると、最初のページにはあたしが初めて書いた詩。



“涙星”



ノートの後ろには、あたしの名前も書いてある。



間違いなく、あたしが失くしたノートだった。



どうして橘くんがこのノートを持ってるの……?
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