逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
☆琉生side☆
――――――……
体育の授業中。
夏休みまでの体育の時間は、プールの授業がずっと続く。
プールサイドに、あお向けに並んで寝っ転がっているくぼっちと俺。
青空が広がり、眩しすぎる夏の太陽が容赦なく照りつけ、ジリジリと肌を焼いていく。
「だから言ったろ?ほっといたら、他の男に持ってかれるって」
くぼっちの言葉に、俺は黙って目を閉じる。
咲下に彼氏がいると聞かされた俺は、彼女に会わずに帰ろうとした。
乗り込んだ電車から見えたのは、踏切の前で彼氏らしき人に抱きしめられている咲下だった。
「どーすんの?」
「どーするって、どうにもできないだろ」
「ったく。俺だったら、そのまま黙って帰ったりしないね。その彼氏の胸ぐら掴んで“俺の愛しの咲下、奪ってみせるから覚悟しろっ!”て咲下の前で言ってやるけどね?」
「……ホントかよ、くぼっち。迷惑、甚だしいな」
――ペチンッ。
くぼっちは俺の裸の腹を手のひらで思い切り叩いた。
「痛ぇーよ」
「おまえの気持ち、そんなもんだったの?」