逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
「橘くん。授業、とっくに終わったよ?」
隣の席の吉野は、机の上に頬杖をついて俺を見て微笑む。
いつのまにか俺は、授業中に机の上に突っ伏して眠ってしまっていたらしい。
すでに授業は終わり、帰りのHRも終わってしまったようだ。
教室内を見まわすと、クラスのほとんどの人が帰ったあとで、教室には数人しか残っていなかった。
後ろの席を見ると、くぼっちの姿もない。
「あれ?くぼっち……もう帰った?」
吉野に聞くと、彼女は笑顔でうなずく。
「今日は彼女とデートなんだって~」
「あぁ……そーいえば、そんなこと言ってたっけ」
「橘くん、寝不足?めずらしく爆睡してたね」
「いや別に……。起こしてくれて、ありがとな」
俺は机の上にカバンを置き、カバンの中に教科書やノートをしまっていく。
「ねぇ、橘くん」
「ん?」
吉野はイスに座ったまま、体ごと俺のほうに向ける。
「最近、少し……元気ないね」