逢いたい夜は、涙星に君を想うから。




――――――……




眩しい太陽。晴れ渡る青い空、遠くの白い入道雲。



いまだ朝から鳴り止まない蝉の声。



残暑厳しいまま、高校生活最後の夏休みは終わりを迎え、今日から新学期が始まる。



学校の自転車置き場で、久しぶりに顔を合わせたクラスメートや、他のクラスの友達と挨拶を交わす。



「おはよー」

「久しぶりー」



夏休みの話などで盛り上がりながら、教室へと向かう。



「あっちぃ……」



俺は廊下を歩きながらネクタイを少し緩め、ワイシャツの胸元を掴んでパタパタと動かした。



「おはよ……」



教室に入るなり、くぼっちと目が合った。



「る、琉生く―――んっ!」



そう大きな声で、くぼっちが俺に向かって飛びついてきた。



「うわぁっ」



俺に抱きついたまま、くぼっちは離れようとしない。



「おかえりーっ」



「ただいま」



俺はフッと笑みがこぼれる。



「もぉー!おまえに会いたくて会いたくて震えてたんだぞーっ」



「なんか……どっかで聞いた曲だな。つか、暑苦しいって!離れろよぉ、くぼっち……」



「嫌ですぅ」



「……うっざ」
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