逢いたい夜は、涙星に君を想うから。
夏休みになる2週間前くらいのことだった。
仕事から帰ってきた親父に大事な話があるって言われて、親父とふたりきりで夜遅くにラーメン屋に行った。
親父とカウンターの席に並んで座り、ラーメンを食いながら話をした。
そのとき初めて、親父に付き合ってる人がいることを聞かされた。
俺は別に驚きもしなかったし、純粋によかったなって心からそう思えた。
「親父は、俺が高校卒業したら、その人と再婚したいって……もし俺がよければって前置きされたけど」
「おまえ……いいの?」
「いいに決まってんじゃん」
「だからってさぁ、わざわざ遠い沖縄に行かなくたっていいじゃんかぁ」
くぼっちは口を尖らせて、俺を見つめる。
「親父さんの再婚と、なんか関係あんの?」