僕の死に方
 同学年の同クラス。性格だとかを差し置けば、僕と藤見正信の間には、それほどの違いなんて無いだろう。
 ほとんど同じように時を生きてきた人間の上に、僕の死が乗る。
 友人を殺したという現実は、藤見正信に重くのしかかるだろう。
 そうでなくては、意味が無い。
 僕の死を最も重く受け止めるのは、彼でなければいけない。
 僕の死を、背負ってもらわなければいけない。

 ――藤見くんには、本当に悪いことをするな。

 心の中で藤見正信に謝罪をしながらも、理想の死に方を遂げる自分を想像すると、胸が高鳴るのだった。
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