僕の死に方
「今日、時間ある? どこか遊びに行かない?」
 気軽に誘うと、藤見正信は簡単に承諾してくれた。
 それなりに時間をかけて接してきたのだ。彼は僕に対して、ほとんど警戒心なんて持っていないのだろう。
 いや、今となっては僕にとっても、彼は本当の友達と言える人間になっている。
 だからこそ、僕は彼に殺されたいのだ。
「誘ってくれて、ありがとう」
 僕の思惑など知らず、そう言って笑う彼を見ると、罪悪感が押し寄せてくる。

 藤見正信は、僕を殺した時、何を思うのだろうか。
 彼もまた、罪悪感に苛まれるのだろうか。
 想像を絶するほどの苦痛を、味わってしまうのだろうか。

 それでいい、そのほうがいい。

 僕の中で膨れ上がる罪悪感と共に、僕の死が、重くなっていくのを感じる。

 理想的な、死に方だ。
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