ミルクティー
「雛那!今からあたし会いに行ってくる」


「えぇ!!」



私がちょっとミルクティーを飲んでいる間に…


「それじゃあ、行くね」


「う、うん…

ここは私が払っておくね」


「ありがとー!!」



そう言ってスズちゃんは出て行ってしまった。

「何だったんだろう…」



スズちゃん達はとっても仲良し。

修矢さんと結衣さんの様なカップル。

そんな2人が別れるだなんて…絶対にあるえない。



私はどこに行っても飲み物を注文する時は『ミルクティー』を注文する。

気がついたらいつも頼んでいた。

たぶん、海斗と離れてから。

けど、どのミルクティーを飲んでも海斗のミルクティーを超えられる物は


1つも無い。


私の中でやっぱり海斗のミルクティーは1番だ。



スズちゃんを見ていたら、なんだか海斗に会いたくなってしまった。

「私も帰ろっ」

1人でいてもつまらないので私も帰ることにした。

帰る途中、私は空を見上げた。



「海斗、元気ですか?

………早く帰ってきてください」



届くはずがない私の声。


海斗と何回も歩いた道。

この5年間、私は1人でこの道を歩いた。


桜の咲いている時、

新緑がきれいな時、

紅葉がきれいな時、

雪が積もっている時、


同じ事を5回繰り返した。




< 344 / 353 >

この作品をシェア

pagetop