神様のシナリオ
「……あの、佐鬼さん?」
「はい、どうしたんですか?えーっと、男の方」
決して間違っていない、的確な呼び方だ。
「頭に何かぐぺ」
横の女に、首が絞められてるなう。
「……?」なんて顔をしてる佐鬼さんをよそに、イッチーは話を進める。
「あの、私たち美原さんにお会いしたいのですけれど……」
「あぁ、お嬢様のお友だちの方だったんですね。分かりました、ちょっと待っててくださいね」
そう言って佐鬼さんは消えた。
それにしても、あの頭の角はなんだったんだろう。
あれ、なんだか綺麗な川が見えてきた。
それに、向こうにいるのは……おじいちゃんとかおばあちゃんとか、僕の親戚じゃないか。
ここは、三途の……ハッ!
「あら、魂がやっと戻ってきたのね」
こ、この腐れポンコツの(ピー)が。
「あなた、鬼の角が見えてるの?」
「え、うん。イッチーには見えないの?」
「見えてるわよ。神に不可能なことはないもの。……それより、あなたに鬼の角が見えてるのは異常なのよ。人間には普通、見えないものなんだから」