神様のシナリオ
 


「……鬼が人を喰らい、人がたくさん消えた。それが属に言う、゙神隠じ。憐れな人々は、これは神々の仕業だと思い、神に生け贄を捧げたりするようになった」

「けれど、私は人を隠したり、生け贄を喜んで喰らったことなんて、一度もないわ。……そう、一度もないのに」

「鬼はそうして、神である私に罪を被せ、自分たちは人肉を喰らいに喰らった。私は人に触れてもいないのに、人の血に染まったのよ」

「私は我慢がならなかったわ。スケジュール帳に、書き込もうとしたの。鬼がいない世界を。でも、失敗したの。……盗まれたのよ」

「私はスケジュール帳を取り戻すために、いろんな世界を駆け巡った。そして、やっと見つけた頃には、千年もの時が経っていた……」

「私は、馬鹿だったわ。スケジュール帳など放っておけばよかった。……私がスケジュール帳を探し続けた千年の間に、鬼は交尾を繰り返し、数を増やしていた」

「人を喰らったのも鬼……。世界を変えてしまったのも鬼……っ。鬼、鬼、鬼っ!……私は、何もしていないのに。全ての責任をなしつけられたわ。……私が、神であってしまったから!」


 
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