神様のシナリオ
「ごふっ」
アッパーがとんできた。
イッチーは顔面が真っ赤に火照って、これはこれで萌えるなあ、なんて思いながらアッパーされたアゴをさすった。
あれ、「燃える」だっけ?
「この、変態、野郎、!」
ううん、冷静な女の子が舐めただけでこんなにもパニックになるなんて、もっと見てみたいなぁ。
だけど、自分の気持ちを眠らせないと、永遠に目の覚めない眠りにつかされることが分かっていたから、なんとか抑えつけることに成功した。
「お待たせしましたか?」
佐鬼さんが帰ってきて、ヒョコッと顔を覗かせていた。
「こちらが奥さまの流鬼様です」
流鬼さんという方(鬼か人か迷った)は、佐鬼さんとは正反対の厳格そうな人だった。
「もうよい。下がれ、佐鬼」
佐鬼さんを見送ったあと、流鬼さんは僕とイッチーのほうに向き直った。
「……さて、お主らはこの美原家の娘であり、わらわの娘を可愛がってくれておるようじゃのぅ。あぁ、いや、悪い意味ではないから安心せい」
こほん、と1つ咳をして、流鬼さんは話を進めた。