小さな恋【完結】
「あ~、マジ生き返る」


「その言い方おじさんくさいよ?」


バニラアイスを口に含みながら溜息交じりの声を出した大知に苦笑いを浮かべる。


そんなあたしを横目で確認した大知は不服そうな表情を浮かべた。


でも、その表情はすぐに真剣な顔つきに変わった。



「今日は、本当に助かった。こんなこと頼める奴、真依子しかいなくてさ。ごめんな?」


大知の言葉に思わず喉元まで出かかる言葉。


『大知には繭ちゃんがいるでしょ?』


だけど、その言葉をぐっと飲み込んであたしは首を横に振った。



「……いいって。唯ちゃん女の子だし、男の子には頼めないもんね」


「そうなんだよ。しかも唯、体弱いから心配で」


コクコクと相槌を打ちながら大知の話に耳を傾けていると、大知は一度間を置いた後こう切り出した。
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